キッカケ > キッカケニュース > 学生団体取材記事 > 3keysさんの取材に行きました!

3keysさんの取材に行きました!

 シェア



今回は3keysの森山誉恵さんを取材しました!児童養護施設の子どもたちと一緒に勉強をし、一緒に将来について語り合い、その中でお互い新しい事に「気づき」、新しい「希望」を見出す「きっかけ」を。そんな3つの「key」を持って活動している3keys。森山さんの3keysへの熱い想いをできるかぎり言葉にしたので、是非ご覧ください!


―――Q(きちんと知らない人が多いと思うので、まずは)児童養護施設について教えてください!
2歳から18歳までの親と生活できない、もしくは、親と生活しないほうがいいと判断された子供たち。そんな彼らが暮らす場所を児童養護施設と言います。

親と生活が困難な原因はいくつかありますが、一番多いのは虐待と貧困です。親が子供に虐待をしている、経済的に貧困層で子供を養えない。その場合に児童相談所に行き、親と子を離したほうがいいと判断されると、児童養護施設に送られます。
児童養護施設は全国で約560施設あり、東京都では58施設あります。人数は全国30000人、東京で6000人。今年は、児童虐待相談が40000件を超えたり、ニュースでもとりあげられたりしています。なんと児童虐待で死ぬのは3日に一人なんです!
今、虐待がすごく深刻な問題になっている。
そういった問題の最後のセーフティーネットになるのが児童養護施設、というわけです。

(―――Qその児童養護施設自体に問題はありますか?)
はい。児童養護施設は日の当たりにくい場所だけに、問題も山積みです。

まず、経済面。基本的に税金で運営しているから予算がぎりぎり。ほとんどの施設は予算が足りなくて経済的に恵まれていません。子供たちに充てられる教育費は少なく、進学について子供たちの意見をなかなか取り入れられない、という現状です。

次に、職員さんの労働している施設の環境。職員さんたちは8時間労働をして、一度に1人で6人の子どもの面倒を見ます。しかし、なかなか8時間で帰れず残業することが多いんです。なぜかと言いますと、(家庭背景が)すごく難しい子がたくさんいて、子どもが暴れたりしてしまうからです。1人で難しい子ども6人を抱え、残業する職員さんは、「心の余裕」なくしてしまいます。「心の余裕のなさ」は虐待の原因なんですね。なので施設内虐待も消えていないんです。職員の心の余裕のなさが子供たちに正しいケアにならないという施設の環境もまた問題です。

(―――Qそうなんですか...。施設の子供たちの学力の面はどうですか?)
子どもたちの学力も児童養護施設の問題点です。
高校進学についてはほぼ全国平均なのですが、学習遅れが進んでいる子供たちが多いため、進学できるとしても最底辺の高校や工業・商業高校がほとんどなんです。
そして、大学進学率に関してはまだまだ低く、全国平均56%に対して児童養護施設9%しかないんです。

(―――Qその進学率が低いことの背景には何か理由がありますか?)
はい、経済的理由と学力的理由があります。
児童養護施設は18歳までなので大学に入り、生活費と授業料を同時に払わなければなりません。経済的に厳しい。
また、児童養護施設は「勉強できる」環境、「大学に進学しよう」という雰囲気ではないので、学習遅れになっている子供が多いんです。環境的にサポートしてくれる人が周りにいないんですね。

こうした大学進学率の低さによって将来が懸念されます。高卒だと就職が難しいことはもちろん、たとえ就職できたとしても子どもたちは職場から追われてしまうと、児童養護施設は18歳で終えているので帰る場所がなく、多くの場合、ホームレスになってしまいます。

そういった状況の中、高卒で当然という雰囲気を施設で作ってしまうのはどうなのか、という疑問が生まれました。この疑問が団体の理念と活動につながっていきます。

―――Qでは団体の理念を教えてください!
一番大きな理念として伝えたいのが、児童養護施設にいる子たちが施設にいることでハンデを感じないこと、子どもたちにとっても施設にいる事を言いわけに出来ない環境となること その理念を実現する方法はいろいろありますが、その中で私たちは「教育」からアプローチをしていこうと思っています。教育環境を整え、大学進学を十分な可能性のある選択肢として考慮できるようになってもらいたいんです。

(―――いくつか選択肢がある中で、教育環境を整えることに絞った理由はなんですか?)
児童養護施設は虐待問題が背景にあるので、虐待のケア心理的なケア、18歳で施設を出る自立支援などの環境は整っています。しかし、教育の部分はまだ手が行きとどいていないのが現状であり、それが子供の貧困層に繋がっていると思うからです。
先ほども言いましたが、中卒高卒で卒業してしまうと、安定した就労につけません。就労不安定で貧困層になり、経済的に子供を支えられなくなります。それが心の余裕のなさになり虐待になって、最終的に児童養護施設へ...、というケースが多く見られるんです。

虐待のさらに後ろにある貧困、貧困のさらに後ろにある教育という問題を解決しないと全体が解決しないと私たちは思っています。だから、私たちは教育に絞っているんです

―――Q(では教育環境を整えるために)具体的にどういった活動をしていますか?
今メインの活動は、学習ボランティア派遣のマッチングです。
児童養護施設では予算が少なく塾に通えませんし、職務環境から余裕がなくて学習サポート体制がない。施設は現状、学習ボランティアに頼っています。
そこで、私たちは学習ボランティアをやってくれる人を施設に派遣することにしました。学習ボランティアがいるというニーズのある施設とボランティアをやりたい人を結びつけるという仲介役としての活動です。
例えば、募集があった場合、私たちの登録ボランティアの人たちに「今こう言うのがあるんですよ」と言って紹介するんです。
2009年今年の4月に立ち上がり、現在都内6施設と提携し、ボランティアは50人ほどが登録。その中の23名を派遣したところです。

またそれと一緒に、児童養護施設の認知度を高める活動もしています。ボランティアをしたい人はいても児童養護施設の認知度は高くないので、なかなか人が集まらない。そこで児童養護施設自体を広めるために、説明会や児童養護施設に関する勉強会を開いています。児童養護施設に対する偏見も、これによって解消すると思います。
現在説明会は2回開いています。

―――Q(その学習ボランティア派遣の活動をしていく中で)反響はどうでしたか?
とても反響は良いです。
従来の学習ボランティアの人は途中で辞める人が多い傾向にありました。子どもたちはそもそも勉強がわからないだけでなく、コミュニケーション障害があり、コミュニケーションを拒むこともあります。そんな子どもたちを教えていると、学習ボランティアとして派遣された人は「自分が悪いのかな?」と思い、辞めてしまうことが多かったらしいんです。

一方、私たち3keysが派遣する学習ボランティアは、勉強会や説明会を開いて事前にきちんとした理解を得てもらっているためか、今のところ一人も辞めていません。また、なかなか施設の人は自分たちで呼ぶのは難しいらしいので、「3keysさんに呼んでもらえて助かります」という声を聞くことがありました。反響はすごくいいですし、そのような反響を聞くととても嬉しいです。自信にもなりました。

―――Q3keysを立ち上げたきっかけはなんですか?
大学2年生の時に児童養護施設に行く機会があり、その光景に衝撃を受けたのがきっかけでした。家から15分のところにこんな場所があるんだ、しかもこんな子が全国に3万人もいる、話には聞いていたけどこれが格差なのか、と。それから勉強を始めました。勉強すると社会的に解決すべき問題がたくさんあることがわかってきました。なのに対策が行われていない。
私の周りは夢を求める人がたくさんいて、起業する人もいました。しかし、どうしても必要だとは思えないような会社がたくさんできていたんです。
それに比べてなにもされていない児童養護施設...。
それから、私ができることは何なのかと考え、学習ボランティア派遣をしようという行動を起こすことにしました。しかし、個人では難しい。そこで団体を立ち上げることにした、という経緯です。

(―――それから現在まで順風満帆に?)
いや、基本的に壁はなくやってきたんですが、正直つらかったこともあります。スタッフがいなくなっていくことです。スタッフのやっていることは事務的ですごくハード。また、子どもと触れられるわけではないのでモチベーションを感じづらい仕事です。そのためか、当初より人数は減ってしまい、つらかったですね...。
でも、その中でも残ってくれているスタッフがいました。彼女たちには私と同じように児童養護施設への想いがあったから辞めなかったんだと思います。すごく、ありがたいです。
今、運営スタッフは5人。これからの活動のためにも、もう少し必要かなって感じです(笑)

―――Q(話は変わりますが、)森山さんは幼いころはどんな人でしたか?
小さい頃はよく「おせっかい」と言われました、電話を必ず出るとか家の仕事については全部やっていましたし(笑)
(―――おせっかいですか。失礼かもしれませんが、おせっかいは今の森山さんの活動に繋がっているところがあるかもしれませんね笑)
そうかもしれませんね、確かに(笑)
ただ。私の家庭背景も、今の活動に繋がる気がしますね...。
私の家もかつては貧困層だったんです。親は共働き。父はフリーター非常勤で、母も働きにくい環境で働いていました。そのせいか、親が欲しい時にいなかった、何も面倒見てくれなかった、という寂しい気持ちがありました。
しかし、高校生のころ親と向き合う時間ができ、また、家が経済的に恵まれたんです。それから余裕ができてきたんですね。精神的にも経済的にも。
経済的に恵まれることによって家族関係が良くなる、っていうのを感覚的に身につけたのかと思います。

そんな自分の家庭背景から、貧困層の児童養護施設の子どもたちが人ごとに見えなかった。
ちゃんと考えていなかったんですが、これってすごく今の活動に繋がっていますね(笑)

―――Q今後の展望を教えてください
やはり教育のところで足りないところを一つずつ一つずつ改善していけたらいいな、と思います。NPOにして継続的に、満足できるまで続けていきたいですね。
たぶん死ぬまでこの活動は終わらないと思いますが、終わったら結婚してゆったりして過ごすかなぁ。自分自身が幸せな家庭を作っていきたい、そう思います(笑)

―――Q最後にキッカケニュースを読んでいる読者にメッセージを!
えらそうなことを言ってきましたが、私もまだまだ勉強中です。3keysはまだまだこれから。児童養護施設に興味を持った人は、是非一緒に施設を良くしていきましょう!少しでも興味を持ったら3keysに問い合わせてくださいね。
よろしくお願いします!


―――森山さん、ありがとうございました!!




【編集後記】
笑顔が印象的な森山さん。カメラのまわっていない取材前、取材後、終始笑顔で話していた(初めカメラを向けたときも、恥ずかしい!と言って笑っていた笑)。しかし、いざ取材本番、3keysについて話すことになると、彼女は真剣な表情に変わり、児童養護施設にかける強い想いを述べた。日の当らない社会の問題に目を向け、主体的に改善していこうとする森山さんの姿勢。見習いたい。

(記事制作:よーじ)

≪前のページ 次のページ≫
  • Hatena ブックマークに追加 はてなブックマーク数
  • Yahoo!ブックマークに登録Yahoo! ブックマークブックマーク数
  • del.icio.usに追加
  • POOKMARK Airlines へ追加
  • livedoor クリップへ追加livedoor clip ブックマーク数
  • @niftyクリップへ追加
  • newsing へ投稿
  • Buzzurl にブックマークbuzzurl ブックマーク数
  • Choix へ追加
  • Furl へ追加
  • Blinklist へ追加
  • reddit.com へ追加

 

■ メルマガ登録・解除フォーム

キッカケメルマガにご登録いただくと、学生生活がイキイキする”きっかけ”となる情報を毎週読むことができます!
キッカケの「セミナー」「イベント」「合宿」の情報はもちろんのこと、学生団体主催の企画情報なども読めます。
そして、キッカケならではの、ちょっと学びになるメール講座も♪
「きっかけ」が欲しい人も、「きっかけ」を生みたい人も今すぐご登録を♪
ご登録されたいE-mailアドレスを入力し、ご希望の項目ボタンを押してください。

学生団体情報満載メールマガジン
学生団体のイチオシ情報満載!

▼NHKの番組にキッカケのイベントが特集されました!


WebROLMO

学生ロールモデルのニュースやインタビュー記事を配信します!



キッカケプロジェクトスタッフ募集

あなたも私たちと一緒にイベントをプロデュースしませんか? 大学・大学院・専門学校何年生からでも大歓迎です!